昨日、「今日の日は…」のブルレイ、届きました。
…ので、本日確認させて頂きました。
本編111分、とありまして、私の編集だと109分だったので、その2分の違いは何なんだろうと思いましたら、エンドロールが約2分くっついておりました(笑)
で、メイキングが約20分、ですか。
これを多いとみるか、少ないとみるか、ビミョーな数字ですよね?
でも、大野さん中心にインタビューを交えていて、特に臨終間近のシーンに対するコメントはちょっと胸にキました…。
耕太であることに集中した、って。
ラスト近くの30分くらいを見て、いつの間にかぽろぽろ涙を零しておりました……
「今日の日は…」の感想等は今更でもありますので続きに…
正直、まだ中途半端な感想しかUP出来ないような気がしてはいますけれど…
最初に、気になったことを二点ほど。
一つは、時間経過をもう少し「画(エ)」として見せて欲しかった、ということ。
いがぐり頭のシーンがちょっとだけありましたけど、髪の毛っていいアイテムなのに、生かしきれていなかったかな、と。季節のうつろいも雪の窓辺以外はあまりはっきりとは見えませんでしたし…
そして、もう一つがヒロイン扱いの深キョン、いらなくない??ってこと。
これはあちこちで言われていたようですが、ヒロインはえっちゃんでしょ?
彼女の方がドラマがありますよね?
あの取って付けたような恋人の自殺のエピソード、変に浮いてましたしね、そこからカウンセラーを目指したとしたら、年齢が合わなくない??とも思いますし、ね。
カウンセラーを登場させるなら、もう少し年齢が上であるべきだと思うのですが如何でしょうか?
蛇足ではありますが、病院で長髪流して勤務ってのも、違うんじゃない?と…
他にも全体として作為が感じられる部分がちょこちょこ無きにしもあらず、と言った気はしていますが、ま、そこらへんは誤差の範囲内、ということで……
初見では気が付かなくて、見直した時に、もしかしたらと思ったのが「青桃」の扱い。あれは、一種の象徴だったのかな、と。
未熟ゆえに落下した桃を手にして、そこを鼻血が濡らしますよね。成熟することのなかった耕太の人生の象徴でもあったのかな、と。
ラスト近く、えっちゃんに別れを告げる場面でも、きれいに色づいた桃の実を一つ手にして、背中を向ける。その場面にも繋がっていくような感じを受けました。
「追いかける勇気無かった」と告げるあの場面、声の優しさが何とも言えませんでした。
多分、意識してこの作品では彼女の立場を掘り下げなかったようにも思っているのですが、実際、発病が原因で婚約破棄なんて状態になってしまった人が身近におります。完治は難しいかもしれなくても、多分ある程度は回復すると見込める病気で、です。
その意味で、えっちゃんの葛藤も(フェンス間際の慟哭、揺さぶられました)お姉さんのお相手への決別も、妙に納得させられてしまいました。
で、桃を手にゆっくり戻るその後ろ姿に、あぁもう直ぐ死ぬんだな、と。
背中で納得させられるとは、でした。
臨終までの場面も密度が凄かったですけれど、その前段階で背中に生気を感じなくて、その意味で、役者大野智に圧倒される思いでした。
あの家族に抗がん治療を中止すると告げる場面から以降、シンクロしていることもあったのでしょうが、リアルで、食卓から目の届くところへ据え付けたベッドとか、病人を抱えたことのある人には納得の画面だったように思います。
臨終の場面とかも……、多分、多くの人が身近な人のその時を思い出したのではないか、と。
この年になると、何度と無く臨終の場面に遭遇せざろう得なく、病気の場合の見舞いとかも辛い場合が少なくありません。
で、不謹慎かもしれませんが、耕太君の場合、家族も納得出来た人生だったのかな、と思ってしまいます。
叔父と義弟が倒れて何時間かで息を引き取っています。
また、別の叔父は発病して4ヶ月あまりの闘病の末に亡くなりました。
闘病の末に亡くなった叔父の法事の折にこっそり聞かされた、あっという間に亡くなってしまった叔父の奥さん・義理の叔母の言葉が忘れられないんですね。
「こんなことを言うのは不謹慎だって分かっているけど、やっぱりね、看病出来ただけ羨(ウラヤ)ましい」と。
例え意識が朦朧としていたとしても、生きていてくれるだけでいい、というのは誰しもの思いだと思います。その一方で、看病に疲れ果てる家族もいる。生きていて欲しい思いも楽になって欲しい思いもどちらも間違いなく本当なんですよね。
でも、人事を尽くしてさえいれば、後悔無く次へ歩みだせるように思います。
その意味で、「ちゃんと生き、ちゃんと死ぬこと」は大事なんだと。
だから、その後の家族の生活感が、ちゃんと地に足が付いている風に受け取れるんですよね。
今回、原作では叶えられなかったと言っていた「川の字で寝ること」がドラマの中とはいえ実現できたこと、ラストに、まだそこにいる耕太でドラマが締めくくられたこと、この2点が原作者様のご家族への慰めになっていたら嬉しいな、と勝手に感じています。